腰の痛みの原因と対処法|効果的な治療方法を紹介
脊椎センター長監修記事
大島功生
池袋西口病院脊椎センター長/日本整形外科学会専門医/日本脊椎脊髄病学会指導医
池袋西口病院では脊椎手術に特化した(池袋西口病院脊椎センター)を運営しています。その施設の責任者である大島功生医師監修の下、リハビリテーションや脊椎疾患、手術術式についても寄稿していきます。
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日本の腰痛人口は2,800万人とも言われており、厚生労働省の行う国民生活基礎調査では、男性にとって一番の健康上の悩み(女性は肩こりに次いで2番目)となっています。
以前は原因不明とされるケースも多かった腰痛ですが、検査技術や機器の向上に伴い、多くの腰痛の原因が特定できるようになっています。
本記事では腰の痛みを引き起こす原因や対処法、痛みを和らげる方法などについて解説します。効果的な治療方法や注意点も紹介しているので、腰の痛みに悩んでいる方は参考にしてください。
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腰痛、手足のしびれなど、お気軽にご相談ください。通院リハビリテーションもできます。
【目次】
■「腰が痛い…」もしかしたら病気かも?考えられる3つの原因
■予防方法と日常生活の改善策
■腰の痛みが長続きする場合は病院へ!
「腰が痛い…」もしかしたら病気かも?考えられる3つの原因
腰が痛い場合、何らかの病気を発症している可能性も疑われます。考えられる3つの原因疾患は以下の通りです。
✔変形性腰痛症
✔腰椎椎間板ヘルニア
✔腰部脊柱管狭窄症
変形性腰椎症
変形性腰痛症は腰の椎体と椎体の間にある椎間板が変形して椎間に骨棘(こつきょく・骨でできたトゲ)が生成され、神経圧迫を引き起こす病気です。
主な原因は加齢ですが、腰に負担がかかるスポーツや重い荷物を繰り返し持ち上げる作業、不良姿勢などの生活習慣が原因となるケースもあります。
変形性腰痛症の主な症状は腰の痛みですが、悪化すると足のしびれや冷え、歩行障害につながる恐れもあります。また、腰の痛みをかばうため姿勢にゆがみが生じる点も、変形性腰痛症の特徴の1つです。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、腰の椎体と椎体の間にある椎間板に偏った負荷がかかり、髄核(ずいかく)と呼ばれる組織が飛び出して神経圧迫を起こす病気で、大きく神経根型と馬尾型に分類されます。
神経根型は腰椎椎間板ヘルニアの中では軽症例とされ、通常は右側もしくは左側の片方だけに腰から足の痛み、しびれなどを生じる点が特徴です。
馬尾型は重症例の腰椎椎間板ヘルニアで、両足のしびれや歩行障害、排便・排尿障害など重篤な症状を引き起こす恐れがあるため早急に対処する必要があります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因としては加齢に伴う椎間板の老化、スポーツによる腰への負担、日常の姿勢などさまざまな点があげられています。
腰椎椎間板ヘルニアはしばしばぎっくり腰と混同されますが、ぎっくり腰は急に腰痛を引き起こす病気の総称で、腰椎椎間板ヘルニアや後述する腰部脊柱管狭窄症も原因疾患の1つです。
腰部脊柱管狭窄症
背骨には脊柱管と呼ばれる神経の通り道がありますが、何らかの原因により脊柱管が狭くなると神経圧迫を起こし、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症を発症するリスクが高くなります。
腰部脊柱管狭窄症の主な原因は加齢に伴う骨の変形や黄色靭帯(じんたい)の肥厚、椎間板の腫れなどです。また、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離・すべり症などの腰部疾患が、腰部脊柱管狭窄症の原因となるケースもあります。
歩き始めてしばらくすると痛みやしびれで歩けなくなり、少し休むと歩けるようになるといった間欠跛行(かんけつはこう)をくり返す点が腰部脊柱管狭窄症の症状の特徴です。
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予防方法と日常生活の改善策
腰痛があると日常の動作がつらくなるだけでなく、好きなスポーツやアクティビティを楽しめなくなります。そのため、普段から以下の予防方法や日常生活の改善策に取り組むことがおすすめです。
✔ストレッチ
✔姿勢に気をつける
✔腰の負担を減らす
ストレッチ
腰痛を予防・改善するためには、日常的にストレッチに取り組むことが有効です。特に股関節やお尻まわりの筋肉を柔軟に保つと、腰に加わる負担を軽減しやすくなります。ストレッチの手順は以下の通りです。
①ヨガマットや床にあおむけで寝る
②右ひざを曲げて両腕で抱える
③膝頭を左肩に向けに引き寄せる
④30秒たったら反対側も同じように行う
③のときに、ひざを反対の肩に向かって引き寄せるとより効率的に筋肉がストレッチされます。ストレッチを行う際には以下のポイントを押さえておきましょう。
✔息を止めない
✔伸ばす筋肉を意識しすぎない
✔痛いほどストレッチしない
✔1回のストレッチを2~3セット行う
✔元の姿勢に戻る際はゆっくりと
腰痛の際にストレッチしていいかどうか分からない際には、専門の医療機関や行きつけの整体院などで相談しましょう。
姿勢に気を付ける
腰痛を予防・改善するためには、普段の姿勢に気をつけることが重要です。腰痛を引き起こす不良姿勢の代表が猫背と反り腰です。
猫背になると骨盤が後ろに引っ張られ、腰にかかる負担が増大します。反り腰の姿勢も腰に負担がかかるため、腰痛を引き起こしやすくなります。自分が猫背や反り腰になっていないか、以下のセルフチェックで確認してみましょう。
①背中を壁に向けて立つ
②かかととお尻、肩を壁につける
③手を腰の後ろに差し込んでみる
壁と腰の隙間に手が入らないようであれば猫背、握りこぶしが楽に入るようであれば反り腰の疑いがあります。
猫背や反り腰を改善するためには普段の座り方を改善することがおすすめです。正しい座り方は以下の手順で身につけられます。
①椅子の前に立って前かがみの姿勢をとる
②前かがみの状態で両手を両ひざにつきお尻を椅子に乗せる
③両手で両ひざを押しながらゆっくりと上半身を起こす
上半身を起こすときに坐骨(ざこつ)を意識すると、腰に負担がかからない座り方を身につけられます。椅子の前で前かがみになる際に上半身がお辞儀しないよう、背筋を真っすぐに伸ばす点がポイントです。
腰の負担を減らす
日常生活における腰への負担を減らすことも、腰痛の予防・改善につながります。具体的な方法としては以下の例があげられます。
✔長時間の同一姿勢を避ける
✔ひざのクッションを上手に使う
✔床の荷物を持つときは下半身を使う
長時間の同一姿勢は筋緊張や血行不良を招き、腰痛を引き起こしやすくなります。デスクワークの方は定期的に立ち上がって歩くなど工夫しましょう。
また、顔を洗う時や前かがみになるときは、片足を台に乗せるなど膝のクッションを使うと、腰にかかる負担を減らすことが期待できます。
床に置いた荷物を持ち上げるなどする際には、上半身だけを曲げるのではなく、いったんしゃがんだ状態で下半身を使うよう意識しましょう。
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腰の痛みが長続きする場合は病院へ!
腰の痛みが長く続く場合は、専門の医療機関で治療を受けることがおすすめです。医療機関ではレントゲンやMRI(磁気共鳴画像装置)など画像検査で腰痛の原因を把握し、一人ひとりに適切な治療が行われます。具体的な治療法は以下の通りです。
✔薬物療法
✔神経ブロック療法
✔リハビリ
✔手術療法
薬物療法
腰痛の症状がひどい場合には、神経ブロック療法が行われることもあります。局所麻酔薬やステロイド剤を痛みがある場所に注射して、痛みの信号が脳へと送られるのを阻害します。
急性腰痛などにともなう激しい腰の痛みを取り除く際に、即効性が期待できる数少ない治療法の1つです。
リハビリ
腰痛がある場合、リハビリで症状の改善を図ることがあります。腰痛診療ガイドラインでも、急性腰痛の際に安静よりも活動性の維持が有用とされています。
仮に安静にしていても激しい腰の痛みがまったく治まらない場合には、内臓の病気の可能性も疑われるため、内科を受診することがおすすめです。
手術療法
上記の方法で腰の痛みが取れない場合や、日常生活に支障を来す場合には、手術療法が検討されることもあります。
まとめ
腰痛がある場合には変形性腰痛症や腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの発症が疑われるため、まずは整形外科を受診してレントゲンやMRIによる検査を受けることが重要です。
検査で異常が見つからない場合には、筋肉や筋膜の緊張により腰痛を引き起こしている可能性もあるため、ストレッチや不良姿勢の改善に取り組みましょう。
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