胃カメラで麻酔は使うべき?苦しくない内視鏡検査の方法を解説
胃内視鏡検査(胃カメラ)が大切なことはわかっているけれど、オェッとなって苦しいからできればなるべく受けたくないという方もいるでしょう。
苦しいイメージのある胃カメラですが、近年は鼻からカメラを入れたり麻酔を使用して検査したりなど、従来のようなつらさを軽減できる検査方法が増えてきました。
ご不安なく胃カメラを受けていただくためにも、できるだけ苦しくない受け方をご紹介します。
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【目次】
■胃カメラとは?
■麻酔・鎮静剤は使うべき?メリット・デメリット・副作用を解説
■まとめ:気になっている方はぜひ医師にご相談を!
胃カメラとは?
胃カメラは、正式には「上部消化管内視鏡検査」と言います。いわゆる内視鏡検査で、口や鼻から内視鏡カメラを入れて、咽頭(のど)・食道・胃・十二指腸といった上部消化管の状態を確認する検査です。
「経口内視鏡検査」「経鼻内視鏡検査」の2種類の検査方法があります。
経口内視鏡検査
口から内視鏡カメラを入れる検査方法です。カメラが舌の奥に触れるため、咽頭反射を起こしてオエッとした不快感が出てしまうといった欠点があります。
場合によっては麻酔を使用して検査することもでき、ボーッとしている間にすべてを終えることも可能です。無痛とまでは言えませんが、検査中の苦痛をかなり抑えることができるでしょう。
経鼻内視鏡検査
鼻から内視鏡カメラを入れる検査方法で、カメラは経口内視鏡検査よりもっと細いものを使用します。カメラが舌の奥に触れないため、オエッとなることはほとんどありません。特に咽頭反射の強い方におすすめしたい方法です。
検査中には、検査映像を見ながら話をすることもできます。以前は経口内視鏡の映像よりも視野が狭いため見えづらいという欠点がありましたが、最近は技術が進み、より鮮明に見られるようになりました。
ただし、鼻腔が狭い方にはおすすめできません。カメラを入れる際に痛みが出て、出血することもあります。鼻炎などで鼻腔に異常がある方も、口からカメラを入れる検査のほうが良いでしょう。
他の方の体験談を聞いて経鼻内視鏡検査が気になっているといった方は、ぜひご相談ください。
以下のような症状は病気のサイン!?胃カメラ検査の受診をおすすめします
胃腸のちょっとした症状は、実は大きな病気のサインかもしれません。以下のような症状が長く続いている、症状があって生活に支障をきたしているといった場合には、胃カメラによる検査もご検討ください。
✓のどがつかえる
✓胃痛・みぞおちの痛み
✓胃もたれ・胸やけ
✓吐き気・嘔吐
✓げっぷが多い
✓食欲不振
これらの症状が続いているようであれば、一人で不安を抱えこまず、まずは病院を受診してください。症状自体はひどくないが気になっているといった場合にも、我慢しないで医師に相談されることをおすすめします。
症状を確認し、胃カメラ検査が必要だと判断されれば医師の方から検査の提案があるでしょう。胃カメラにより、病気の診断も可能です。
胃カメラで見つかる病気
胃カメラ検査をすることで、以下のような病気を見つけることができます。病気を早期に発見し、早期に治療を開始することはとても重要です。特に症状がなくても、定期的に胃カメラを受けておくと良いでしょう。
✓食道がん
✓胃がん
✓逆流性食道炎
✓急性胃炎
✓胃・十二指腸潰瘍
✓胃アニサキス症
胃カメラ検査のメリットは、粘膜を直接観察できる点です。さらに、気になる症状があれば組織を少し採取して生検に回すこともできます。生検することで、より詳しい状況もわかります。
特に胃がんは、日本人にとても多い病気です。初期にはあまり症状がありませんが、やがてみぞおちの辺りに痛みが出るようになります。進行が早いケースもあるため、早期発見は大切です。
麻酔・鎮静剤は使うべき?メリット・デメリット・副作用を解説
胃カメラをする際に、麻酔や鎮静剤は使ったほうが良いのでしょうか。以前は検査中に苦しくてもそのまま継続することがよくありましたが、最近はリラックスした状態で検査を受けられるよう鎮静剤を使用する病院も増えています。
使用する場合のメリット・デメリット、さらに副作用についても解説します。
胃カメラで使用する麻酔2種類について
胃カメラを行う際には、状況に応じて次のような麻酔・鎮静剤が使われます。それぞれの作用や目的は次のとおりです。
表面麻酔
表面麻酔は、「局所麻酔」といって薬剤が触れた箇所だけに作用する麻酔薬です。口や鼻から胃カメラを入れる際には喉や鼻腔に痛みが出てしまいますが、この部分にあらかじめ表面麻酔をしておくことで、感覚を麻痺させ痛みを抑えます。
表面麻酔を塗布し、少し時間をあけてから胃カメラの挿入を開始します。表面麻酔はほとんどの病院が行っているでしょう。部分的に少量のみの使用のため、副作用の心配もあまりありません。
鎮静剤(静脈麻酔)
できるだけ苦痛なく胃カメラを受けられるよう、経口内視鏡検査の際に鎮静剤を使用する病院も増えてきました。
これは静脈に鎮静剤を点滴し、緊張を和らげる方法です。「静脈麻酔」と呼ばれることもありますが、「全身麻酔」とは違います。
リラックスしてボーッとした状態になるため、検査中の苦痛をかなり軽減できるでしょう。なかには眠ってしまう方もいます。
どこの病院でも鎮静剤を用いた胃カメラ検査を受けられるわけではないため、予約時には確認するようにしてください。
麻酔を使用するメリット
胃カメラ検査の際に静脈麻酔をすることで、次のようなメリットがあります。
以下のようなメリットにより胃カメラに対し苦手意識を持つことがなくなれば、定期的に検査を受けやすくなるでしょう。それが病気の早期発見にもつながるため、それこそが大きなメリットとも言えます。
楽に検査を受けられる
胃カメラ検査には、どうしても不安や緊張感が伴います。静脈麻酔をすればボーッとしてリラックスできるため、胃カメラ検査を楽に受けられるようになるでしょう。
ボーッとする程度は人によって違い、痛みはないけれど先生の声は聞こえていたという方もいれば、ぐっすり眠っていたという方もいます。どの程度ききやすいかは、一人ひとり異なります。
咽頭反射が起きにくい
経口内視鏡検査の欠点は、オエッといった咽頭反射が起きてしまうことです。静脈麻酔をすることで、この咽頭反射を起こりにくくさせられます。
咽頭反射がひどいと、患者さまは検査どころではなくなってしまうでしょう。医師にとっても、胃の状態を十分に観察できないまま検査を終了させることになりかねません。
静脈麻酔によって咽頭反射を起きにくくすることは、精密な検査のためにもとても重要でしょう。
麻酔を使用するデメリット
静脈麻酔には、デメリットやリスクもないわけではありません。それらについても見ておきましょう。
少し時間がかかる
静脈麻酔は点滴で投与するため、胃カメラを開始するまでに少し時間がかかります。さらに、検査終了後も鎮静作用はしばらく続いているため、1時間ほど病院内で休んでいただく必要があります。
1時間休んだ後でも帰りに車や自転車を運転しては危険ですから、公共の交通機関を利用してください。
麻酔薬の副作用
静脈麻酔の薬剤には、副作用もあります。鎮静作用により眠くなるだけでなく、血圧が下がったり、脈が遅くなったり、呼吸が弱くなってしまうこともあります。
そうした状態をしっかり監視し、もしも問題が起きた際にはすぐに対処できる環境を用意しておくことが大切です。
まとめ:気になっている方はぜひ医師にご相談を!
胃カメラの際に麻酔を使用することのメリット、デメリットをみてきました。
胃のさまざまな病気を早期発見するためにも、胃カメラは重要な検査です。できれば定期的に受けることが推奨されますが、検査中の苦痛が大きいと敬遠されてしまうこともあるでしょう。
しかし、麻酔を使用し苦痛を和らげられれば、検査を受けやすくなると思います。
麻酔を使用した胃カメラ検査が気になっている方は、ぜひ医師に相談してみてください。
看護師・医師・薬剤師・理学療法士・放射線技師・医療事務など医療機関勤務でお悩みの方
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